ホステス(キャバ嬢)向け!残業代や未払い賃金について弁護士が解説!

ナイトワーク

ホステス(キャバ嬢)とお店の契約は「業務委託契約」であることが多く、ホステス(キャバ嬢)は個人事業主・フリーランスとしてお店で働くということが主流となっています。

個人事業主・フリーランスは「労働者」ではないため、基本、残業代はつきません。
しかし、ホステス(キャバ嬢)の「労働者性」というものが認められると、未払いの残業代や賃金などがお店側から支払われたケースもあります。

勤務の実態に「労働者性」が認められた場合、それまでの勤務は労働者であったことを前提に賃金や残業代の計算が行われ、その分の金額がお店から支払われます。

本記事では、ホステス(キャバ嬢)の残業代について、労働問題に強い弁護士が詳しく解説します。

弁護士紹介

近藤 敬 弁護士

東京地方裁判所労働専門部出身。そのキャリアから法律は勿論、裁判所の考え方に沿った証拠集め、相手方との交渉を得意としている。

労働事件以外では、労働法をテーマとした厚生労働省主催の講演にも多数登壇しており、また、新聞・ネットメディアからの取材対応や、テレビでも労働問題に詳しい弁護士として出演し、日本社会における適正な労働環境の構築に向けて日頃から発信をしている。

近藤弁護士

残業代請求の対象になりやすいホステス(キャバ嬢)の勤務実態とは?

次のような勤務実態がある場合、労働者性が認められやすく、残業代請求が認められる可能性が高いです。

  • ・店側がシフトや出勤日を指示している
  • ・自由出勤ではなく、出勤ノルマがある
  • ・遅刻・欠勤に対して罰金やペナルティがある
  • ・店内ルールに従って勤務している
  • ・制服(ドレス)着用が義務付けられている
  • ・最低保証給や日給があり、完全歩合ではない

労働者性や店側の違法性が認められやすい典型パターン

  • ①出退勤が店側の管理 + 罰金制度
    例:シフトは店長指示、遅刻1回 罰金●千円、無断欠勤 罰金●千円
  • ②LINEなど電子証拠が豊富
    例:「今日絶対出勤して」「遅刻したら罰金ね」
  • ③歩合制でも最低保証・控除あり
    例:売上0でも日給5,000円保証、税金や雑費控除
  • ④罰金やペナルティが過大
    例:売上未達で5万円控除など
  • ⑤実労働時間が長いのに休憩なし
    例:開店準備18時〜閉店後片付け4時、休憩0分
  • ⑥退職時の給与不払
    例:退店直前の歩合や日給の未払い、退職ペナルティ控除

残業代を請求するための証拠集めの方法

証拠となるもの
  • 店側とのLINEやりとり(出勤指示や罰金通知など)
  • タイムカード
  • 出勤簿(勤怠表)
  • 給与明細
  • 手渡しメモ
  • 店舗ルールブック・接客マニュアル
  • ペナルティ規定
  • 罰金や減給の記録
  • 同僚の証言
  • ブログや日報
  • など

支払いが実際に認められた裁判例

キャバクラ勤務キャストの労働者性認定判決/令和7年6月25日判決(東京地裁)
原告(訴えた人)
キャバクラ勤務の女性キャスト
争点
店と原告の間では業務委託契約が結ばれていたが、実態として「労働者性」が認められるか
裁判所の判断
遅刻罰金、タイムカード、給与控除などから、実態は店の指揮命令下にあったとして労働者性を認定
結果
東京地裁が店側に約2,000万円の未払い賃金支払いを命じた
キャバクラ女性従業員未払い残業代訴訟/令和3年7月和解(さいたま地裁)
原告(訴えた人)
キャバクラ勤務の女性キャスト
請求内容
約1,100万円
争点
店と原告の間では業務委託契約が結ばれていたが、実態として「労働者性」が認められるか
裁判所の判断
不当な給与控除、罰金制度などから、実態は店の指揮命令下にあったとして労働者性を認定
結果
店側が解決金を支払う形で和解成立
(クラブホステス)第三相互事件/平成22年3月9日判決 判例:労判1010号65頁/(東京地裁)
原告(訴えた人)
クラブ勤務ホステス
争点
被告(店)と原告の間では、原告が「客に遊興又は飲食させる業務に従事する」という契約が結ばれていた。被告(店)は、「ホステスは、単なる労働者ではなく、むしろ本件クラブのような店舗を使用して高額な報酬を得る事業を行う個人事業主」であると主張した。実態として「労働者性」が認められるか
裁判所の判断
厳格な出退勤管理、接客・出勤に対する強い拘束、給与控除、罰金制度などから、実態は「労働者性」が強く認められ、労働者としての保護が及ぶべき立場にあると認定
結果
店側は、未払い賃金(控除分の返還)+残業代・深夜割増賃金+遅延損害金の支払を命じられた
まとめ:ホステス(キャバ嬢)でも残業代は取り戻せる

「自由出勤」「業務委託」といった契約内容であっても、「管理されている」「店に従っている」という実態があれば労働者性が認められる傾向にあります。
そして、労働者性が認められれば、未払い賃金・残業代・深夜手当などを請求できます。

「夜職は残業代が出ない」といった慣習は、今なお色濃く残っていますが、必ずしもその慣習が法律を守れているとは限りません。
また、今は世の中の流れとして、勇気ある人達の行動により、古くからある悪慣習が次々と明るみに出て否定されてきています。

この記事を読んでいるあなたが一歩踏み出すことで、業界に古くからある悪慣習が正され、将来この業界で働く人達が、涙を流さず笑顔で働けるきっかけとなるかもしれません。

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解決までの流れ

解決までの流れ

請求先の会社と任意交渉(示談)による解決の場合、ご契約後に未払い残業代の金額を明記した請求書面を弁護士から送付し、請求先の会社と交渉を開始してから早ければ約2週間~2か月で任意交渉(示談)が成立します。 また、交渉によって解決しない場合は労働審判申立て、訴訟提起を検討していきます。

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