懲戒解雇における『不当解雇』の相談|労働問題に強い弁護士
- 退職金が受け取れなくなる
- 不名誉のレッテルを貼られる
- 次の就職に不利となる
- 失業保険を支給されるまでが遅くなる
- 解雇予告手当が受け取れなくなる
もし、懲戒解雇になったらこんなことが不安
懲戒解雇とは
懲戒解雇とは、就業規則上の懲戒事由に該当することが理由での解雇ですが、会社側の独断で「懲戒事由に該当した」と判断しているケースが多くあります。
こういった場合の多くは『不当解雇』になります。
不当解雇となり得る懲戒解雇の例
- ・パワハラ、セクハラなどを行った
- ・会社や社長への不満を言った
- ・業務で交通事故をおこした
- ・仕事上のミス
- ・営業成績不良
- ・学歴などの経歴詐称
- ・数回の遅刻や無断欠勤
- ・業務命令を拒否した(業務命令違反と言われた)
- ・コミュニケーション能力不足と言われた
- ・軽度の犯罪
不当解雇の可能性は極めて高い
すべての解雇に共通して適用される「解雇権濫用の法理」(労働契約法16条)よって、会社が一方的に行う解雇の多くは不当解雇に該当する傾向にあります。 もし会社から突然解雇された場合には、まず不当解雇の可能性を疑い、弁護士へ相談することをお勧めいたします。
解雇が無効となった後
- ・引き続き、会社で働き続けることができます
- ・会社と争っている間の給与(バックペイ)も受け取ることができます
※バックペイ:無効な解雇を主張した会社側の都合で働けなかったため、その期間に支払われなかった賃金相当額の報酬を意味します
解雇の撤回と解決金の支払を条件とし、会社と和解した上で退職することになります。
- ・解決金はおおよそ月給の3~18か月程度
- ・増額された退職金を受け取れる可能性があります
また、解雇の撤回もあるので、転職活動にも不利な影響はありません。
弁護士紹介
近藤 敬 弁護士
東京地方裁判所労働専門部出身。そのキャリアから法律は勿論、裁判所の考え方に沿った証拠集め、相手方との交渉を得意としている。
労働事件以外では、労働法をテーマとした厚生労働省主催の講演にも多数登壇しており、また、新聞・ネットメディアからの取材対応や、テレビでも労働問題に詳しい弁護士として出演し、日本社会における適正な労働環境の構築に向けて日頃から発信をしている。
懲戒解雇されたらすぐに取りかかるべきこと
①雇用契約書や就業規則を確保する
契約書や就業規則が手元にあるかどうかを確認するとよいでしょう。後に解雇の効力を争う際に役立つ資料となります。
②解雇理由証明書や退職理由証明書を会社(使用者)に請求する
解雇をめぐる紛争を未然に防止し、迅速な解決を図る目的から、労働基準法22条は、労働者から解雇理由証明書や退職理由証明書の交付を求められた場合、会社(使用者)に対して、交付を義務付けています。これらの証明書には解雇の理由等が具体的に記載されていることが多いため、労働者が後に争う場合にも役立つ資料となります。
③失業保険を申請する
解雇されてしまった場合、生活費を確保するため、ハローワークにて失業保険受給の手続をせざる得ない場合も多いでしょう。その際、仮給付の申請の受給手続を行ったとしても労働者が解雇を受け入れたということにはなりません。
解雇についての証拠を集める
不当解雇について争う場合には、客観的な証拠の存在が非常に重要となります。
解雇について記載のあるメールやLINEやショートメッセージは消えないように保存しておくとよいでしょう。
また、解雇についての会話が録音で残っている場合も消えないように保存しておくとよいでしょう。
なお、口頭で解雇を告げられた場合には、「きちんと書面でも欲しい」と会社(使用者)に要求してもよいでしょう。
弁護士に相談するメリット
法的な根拠に基づいた主張ができる
弁護士に相談すれば、解雇の不当性・違法性について法的根拠に基づいて、労働者としての権利回復に向けた主張を行うことができます。
和解交渉において会社(使用者)側と対等な立場で交渉ができる
不当解雇については、まず会社(使用者)側との交渉によって解決を模索することが一般的といえます。ただ、会社(使用者)から提示される条件は、必ずしも適切なものとは限りません。不当な条件を提示されることもしばしばあります。
労働事件に強い弁護士に依頼すれば、使用者側と対等な立場で、実務上の相場観をふまえた適切な条件で和解することが期待できます。
会社との交渉が決裂した場合、労働審判や訴訟への移行がスムーズ
会社(使用者)との任意交渉が決裂した場合は、裁判手続(労働審判・訴訟)に移行することになります。
その際、労働事件に強い弁護士に依頼すれば、労働審判と訴訟のどちらを選択すべきか適切に導いてくれることになりますし、書面作成、証拠集めについてもスムーズに準備することができます。また、裁判手続においては、任意交渉の経過をふまえた主張をしていくことができます。
転職活動等、自身のことに専念できる
労働事件に強い弁護士に依頼すれば、労働者本人は、ご自身の生活に専念することができます。
また、不当解雇された方の中では職場復帰を望まない場合も多く、その場合は転職をすることになりますが、その際も転職活動に専念することが可能となります。
レイ法律事務所が選ばれる理由
東京地方裁判所の労働専門部出身の弁護士が担当
厚生労働省主催の労働法講演にて日頃より発信
メディアで専門家として発信
弁護士への依頼が難しくなる場合
退職合意書へのサインや退職届の提出などを行うと、あなたが「合意した上での退職」という形になり、不当解雇という主張自体が認められにくくなります。
ただし、騙されたり脅された上でのことでしたら、詐欺や脅迫による退職の合意の取り消しという方法も考えられます。
よくある相談風景① ~懲戒解雇されそう
事案
Aさんは、会社の総務部や経理部から何度も呼び出され、経費の使用について調査された。たしかに内規規定に反する経費申請をしてしまったことはありましたが、会社の側は「これは見過ごせない。横領に該当し得る行為だ。重い処分になるだろう。」とAさんを一方的に追い詰めるような発言を繰り返しました。Aさんは、会社とのやり取り自体に疲れてしまい(適応障害と診断)、退職を決意しましたが、「自分はこれまで一生懸命会社のために働いて、しかも、周りも自分と同じようなことをやってきたのに自分だけ懲戒解雇になるのだけは納得いかない」と思っていました。
弁護士介入後
弁護士の方で、Aさんから詳しい事情を全て聞き取り、詳細な反論書面を会社に提出した上で、会社の人事総務部長と何度も交渉し、その都度、Aさんの主張と希望を会社の側に粛々と伝えていきました。この間、会社の側からAさんに接触してくることは一切なくなりました。
結果
会社の側に①懲戒解雇の回避、②自主退職の許可、③退職金の支払い、④有給休暇の消化、⑤円滑な業務引継ぎ等を約束させました。
よくある相談風景② ~不当解雇
弁護士に相談した場合の流れ
懲戒処分基礎知識
懲戒解雇とは、使用者が労働者に対してなす懲戒処分のうちで一番重い処分を言います。
そもそも懲戒処分とは、使用者が労働者の企業秩序違反行為に対して科する制裁罰という性質を有する不利益措置のことを言い、通常、使用者は就業規則に懲戒処分に関する規定を設けています。種類は一般的には、戒告・けん責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇などとなっています。
「使用者が労働者を懲戒することができる場合」(労働契約法15条)とは、使用者の懲戒権を基礎づける契約上の根拠すなわち就業規則において懲戒の事由と種別が明確に定められ、労働者の行為がそこに定められた懲戒事由に該当すると判断される場合をさします。
すなわち、就業規則において、まず種別として「懲戒解雇」が定められおり、かつ懲戒解雇の懲戒事由に該当する場合に懲戒解雇をすることができるといえます。
なお、懲戒処分は制裁罰としての性格を持ち刑事処罰と類似性を持つため、就業規則の懲戒事由の解釈にあたっては罪刑法定主義類似の諸原則が働くものとされています。
あります。労働契約法15条では、仮に、「使用者が労働者を懲戒することができる場合」に該当したとしても、当該懲戒が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利の濫用として無効とすることを定め、判例によって形成されてきた懲戒権濫用法理を法律上明文化しています。
さらに労働契約法16条では、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして」「解雇」が無効になると定められ、判例によって形成されてきた解雇権濫用法理を法律上明文化しています。