芸能トラブル Q&A

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⑩芸能トラブルQ&A

Q1 どのような芸能トラブルが多い?

芸能トラブルとして、芸能界には独立・移籍トラブル、名誉毀損問題、パワハラ、暴力問題、ドラッグ、暴力団(準暴力団)問題などの多くの芸能問題が多いですが、そのなかでも、以下のトラブルが多いといえます。

1位 事務所側との契約トラブル(事務所移籍・独立問題、権利の帰属問題など)
2位 事務所側との金銭トラブル(報酬の未払い・不透明問題など)
3位 事務所側によるハラスメントトラブル(パワハラ、セクハラ、強制わいせつ、枕営業の強要、盗撮など)
4位 ファンとのトラブル(恋愛、ストーカー問題など)

Q2 タレント契約書の注意点は?

まず、タレント契約書の名称は「所属タレント契約書」「専属契約書」「マネージメント契約書」など芸能事務所によって様々です。このタレント契約を締結する際,契約書の以下の点について、注目する必要があります。

・専属かどうか?
・芸名(氏名肖像権)の帰属は?
・報酬の割合・定め方は?
・実費負担はあるのか?
契約期間は?
解除事由は?こちらからも解除できるのか?
・損害賠償(途中解除の場合の違約金など)については?
・著作物など知的財産の帰属については?
・SNSに関する権利(YouTubeのアカウント権利も含めて)の帰属もしくは終了方法は?
・どのような禁止規定があるのか?
・解除後の制限(競業避止義務等)はあるのか?

他にも注意点はありますが、最低でも以上の点は、確認する必要があります。

一度契約を締結してしまうと、残念ながら、原則として契約書の内容が法律や公序良俗、社会正義に反していない限り、契約書に記載された内容がルールになってしまい、後々争うのが困難であり、時間や労力、そして金銭的負担が必要となります。

そのため、契約締結「前」に弁護士などの専門家に契約書をチェックしてもらうことが大事となります。事務所の選択を間違って、将来の可能性を潰してしまう芸能人(タレント)も多いといえます。また、仮に契約締結「中」においても今後の契約更新に備えて、弁護士などの専門家に契約書をチェックしてもらいましょう。

なお、最近の傾向では、事務所との契約終了時においてSNSに関する権利(YouTubeのアカウント権利も含めて)について問題になるケースが増えています。

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Q3 タレント契約を途中で解除することができるのか?

基本的には、専属タレント契約(マネージメント契約)では、1年、3年もしくは10年と「契約期間」を定めていることが多いといえます。

これは、事務所側が費用をかけて育てた芸能人(タレント)に途中で辞められたら(他の事務所に移籍されたら)困るためです。しかし、芸能人(タレント)側も、どうしても事務所を辞めたい場合もあります。ここで、事務所側と芸能人(タレント)側に衝突が起きます。

では、専属タレント契約(マネージメント契約)を解除することができるのでしょうか?

以下の場合などには、契約を解除できると考えられます。
事務所と契約解除について合意ができた場合
契約書に解除について規定がある場合
債務不履行があった場合
マネージメントの契約の性質上、解除できる場合  など

以上のように、一定の場合には、契約を解除することができるといえます。この点については、芸能案件について豊富な経験がある弁護士に相談すべきといえます。

ただ、たとえ上記の条件に該当し、契約を解除できた場合でも、問題はこれだけではありません。

・契約書に「違約金」の定めがある場合
・「損害賠償」の請求の可能性がある場合
・「競業避止条項」の定めがある場合
・「知的財産が全て事務所に帰属する」定めがある場合
・「契約終了時におけるSNSの終了規定」の定めがある場合
・今後の芸能活動への支障がある場合
等の問題が残っています。

そのため、事務所を途中で辞める際には、以上の問題を念頭に事務所と丁寧かつ慎重に交渉をしなければなりません。場合によっては、弁護士が交渉の前に出ない方が良い場合もあります。今後の芸能活動を考えると、裁判をすることが好ましくない場合もあります。

だからこそ、芸能案件について豊富な経験があり、また業界に詳しい弁護士の助言等が必要となります。

Q4 「競業避止義務・芸能活動禁止特約」は有効?

専属タレント契約書(マネージメント契約書)の条項に「事務所を辞めたあと数年間は芸能活動を禁止する。」という「競業避止義務・芸能活動禁止特約」の記載がされていることがあります。また、芸能事務所を辞める際にとの同様の契約(特約・覚書)の締結を強いられることがあります。

では、このような競業避止義務・芸能活動禁止特約は有効なのでしょうか?

東京地方裁判所平成18年12月25日の判決では、「芸能人の芸能活動について当該契約解消後2年間もの長期にわたって禁止することは、実質的に芸能活動の途を閉ざすに等しく、憲法22条の趣旨に照らし、契約としての拘束力を有しない」としました。

つまり、裁判所は、「事務所を辞めたあと数年間は芸能活動を禁止する。」との契約(特約)は無効ですよ!と判断しました。また、2019年、公正取引委員会も原則として競業避止義務については、事務所側に正当な理由がないとして違法(独占禁止法違反)との見解を発表しました

特集1:レイ法律事務所が寄稿した芸能人の権利に関する記事

以下は、レイ法律事務所による弁護士が芸能事件に強い弁護士としてコメント寄稿した記事等となります。合わせてご覧になってください。

特集2:芸能問題を解説した動画

レイ法律事務所代表弁護士佐藤大和による芸能問題解説動画となります。動画は①から⑥まであります。合わせてご覧になってください。

芸能人の権利を守る団体の共同代表理事

日本エンターテイナーライツ協会

レイ法律事務所では、芸能問題の第一人者である河西邦剛弁護士、芸能人法務の先駆者である佐藤大和弁護士が、芸能人の権利を守る団体「日本エンターテイナーライツ協会(ERA)」の共同代表理事を務めており、芸能人の権利を守る活動もしています。

レイ法律事務所代表弁護士佐藤大和の実績

  • 2020年 自由民主党 政務調査会 知的財産戦略調査会において「実演家(芸能人全般)の実演環境」に関する講師
  • 『マンガでわかる 知的財産の新常識』(ナツメ社、2018年、共著)
  • 産経新聞「芸能人・スポーツ選手 労働環境改善へ」にコメント寄稿
  • 産経新聞「ジャニーズ事務所注意 芸能界全体で見直す契機に」にコメント寄稿
  • 朝日新聞「『テレビから干す』芸能界変わるか」にコメント寄稿
  • 毎日新聞「芸能人と芸能事務所」にコメント寄稿
  • 毎日新聞「組関係者会合に芸人 吉本、マネジメント追いつかず 契約書ない古い体質も」にコメント寄稿
  • 東京新聞「芸能界、変われる?あしき慣習「抜けたら干される」」にコメント寄稿
  • 中日新聞「自由な市場へ、課題山積 事務所移籍、新制度導入2カ月」にコメント寄稿
  • 「女性自身」(光文社)「芸能界の慣習について」についてコメント寄稿
  • 「女性セブン」(小学館)「芸能人は労働者か否か」についてコメント寄稿
  • 商事法務掲載「企業におけるフリーランスとの契約(上)佐藤大和(2019/11/13)」
  • 商事法務掲載「企業におけるフリーランスとの契約(下)佐藤大和(2019/11/14)

 

相談料

90分 20,000円(税抜)

※クレジットカードもご利用になれます。
※弁護士費用は、相談内容によって異なります。お気軽に弁護士にご相談ください。

注意点

  • ・ご依頼内容もしくは弁護士の業務の都合上、お受けできない場合がございます。
  • ・虚偽の内容の場合には、お受けすることはできません。
  • ・ご依頼後、虚偽の内容が発覚した場合、契約を解除する場合があります。
  • ・いかなる理由があっても、違法な行為に加担することはできません。
  • 「佐藤大和」を指名の場合には、「佐藤大和」指名との記載もしくは電話にてお伝え下さい。なお、地下アイドル問題については弊所の他の弁護士が担当になる可能性がございます。