【弁護士コラム】学校事故とスポーツ振興センターの災害共済給付制度
2017年7月7日
■学校の事故にはどう対処したら?
昔から学校での事故はたくさんあります。登下校中のケガもそうですが、体育などの授業中のケガ、休み時間中のケガ、部活動でのケガもあります。
また、ケガにも友だちと遊んでいたときの悪ふざけの延長でケガをした場合もあれば、学校の監督不行き届きで、児童や生徒らがケガをする場合があります。 法律上は、ケガをさせた相手に落ち度があれば損害賠償を請求できます。もっとも、相手が子どもの場合、12歳程度でなければ、物事に対する判断能力がないとされ、過去の裁判では、責任を負わないとされたこともあります。もちろん親の監督に問題があれば親に請求することはできます。
■学校の責任は?
学校には、子どもたちを安全に勉強できるように配慮する義務があります。もし学校がこの義務を怠った場合には、学校に対して損害賠償を請求することができます。
裁判でも学校の責任を認めた判決は多くあり、部活動の最中に落雷があり高校生が重体になった事件では、学校は落雷の危険が迫っていることを予想することが可能であったとして、学校の責任を認めました。また、休み時間中の生徒同士の悪ふざけによる事故について、学校の責任を認めた判決もあります。
■スポーツ振興センターの災害共済給付制度とは?
日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度とは、生徒が学校の管理下で「ケガ」などをしたときに、 保護者の方に給付金(災害共済給付)を支払う制度です。
スポーツ振興センターの災害給付制度では、基本的には保険適用可能な治療に関する費用は給付されます。自由診療の場合には、保険適用外の治療として給付金が支払われない可能性があるので、注意が必要です。また、給付金の金額が低い場合もあります。
詳しくは、弁護士などの専門家に相談しましょう。