いじめ問題の相談(学校トラブル)
よくある相談風景(いじめを受けている)
なかなか弁護士に連絡することができなかったとのお話をよくいただきます。
よくあるご相談をもとに、相談風景を物語にしました。実際の相談では、より詳細にお話ししますので、電話のご相談だけで解決することもあります。
いじめを受けてることが分かったら





そうしたら今度は、泣いてるところを見て、「言いたくなければ言わなくてもいいけれど、悲しんでるのを見てられないから教えてほしい。」と言ったら、実はクラスの子にいじめられていると。。。


子どもがいじめを受けているときって、私たちには何が出来ますか?
ついこの間まで本当に学校に楽しく通っていた子だったんです。

いじめを受けていると分かったときには、まずは、本人や、親御さんから学校の先生にそのことを伝えることが大事です。
また、いじめについての先生との話し合いに万全を尽くしたいということでしたら、当事務所では、私たち弁護士によるサポートも行っております。
もし学校との話し合いがうまくいかなかったときには、私たちが親御さんの代わりに、学校との間で、いじめの調査や今後のいじめの防止策についての話し合いを行うこともできます。
いじめについて
現在、いじめについて、いじめ防止対策推進法という法律では、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」としています。
この定義においては、行為を受けている子どもが、辛い、苦痛だと感じていれば、いじめに該当することになります。
いじめがあった場合には、学校にはいじめに対して対処しなければならない法律上の義務があります。学校は、いじめがあったとされる場合には、いじめの事実調査や対策を行うこと、さらにいじめが重大事態に該当する場合には、いじめについての調査結果を被害を受けた子や、その保護者に報告し、さらには都道府県知事らに報告する義務があります。
いじめに遭ってしまったら、まずは学校の先生にそのことを伝えることから始めるべきでしょう。多くの場合には、学校の先生にお願いすることで、きちんとした指導をとおして解決することができます。
しかし、深刻ないじめの事案では、一部ではありますが、学校の先生がいじめに加担していたり、いじめ相談を無視したり、中途半端に生徒に注意してしまった結果、影で「チクった」などといわれてしまい、かえっていじめがより大きくなっていることもあります。
先生に相談することが難しい場合には、その先生以外の信頼できる学校の先生、教育委員会、いじめと戦うNPOの方々や我々弁護士に相談することをご検討いただいた方がいいでしょう。
重大事態とは、いじめ防止対策推進法上で、「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある」又は「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている」場合です。このような場合には、学校は調査結果を被害を受けた子や、その親に報告を行う必要があり、また、都道府県知事らに報告を行わなければなりません。
学校に話しても何もしてくれないときは

ただ、その時に担任の先生からは、「うちのクラスはみんなお友達だから、いじめはないです。」と言われてしまって。


子どもはこれまで、お友達とどんなに喧嘩しても何日もふさぎ込んだりはしていないので、親としては、ただの喧嘩だとはどうしても思えないのです。



その上で、もし真剣に話を聞いてくれないようであれば、私たちが学校と話し合いを行うべきかもしれません。
いじめの問題点
そもそもいじめ防止対策推進法は、いじめを受けていると子どもが学校に告げていながら、学校が真剣にその問題と取り合わずに、結果当該児童の命が奪われてしまった事件を背景に立法されたものであり、その立法経緯からも、学校がいじめの問題と本気で向き合わないことがあるということを前提にしていることがわかります。
このような背景からしても、学校との話合いがご家族だけの対応では困難になることがあるのは当然といえるでしょう。
このような場合には、ご家族だけで悩まず、弁護士に一度ご相談いただきたいと思います。
当事務所においては、「必ずやることの優先順位を決めて欲しい。」と伝えています。
いじめを受けることはとても辛いことです。その状況で、事態が改善するとしても、いじめと戦おうとすることは、一時はさらに辛い状況になる可能性があります。いじめを受けていても、家庭や友人、習い事など、どこかに居場所があれば人はやっていけるのですが、いじめと戦うときには、つい頭が戦う方に持って行かれてしまって、子どもの居場所をさらに削ってしまうことがあります。優先順位においては、子どもを守ることが第一であり、いじめをした相手をやっつけることは第一優先順位の目的ではないはずです。そのことは忘れないでおいてほしいと思っています。
いじめ解決のためのはじめの一歩







いつ、どこで、誰が、どのように、なにをしたのか、その理由はなんなのかと、まとめることです。






情報を「まとめる」
証拠集めには、被害の状況を写真に撮って残すことや、証言を集めるなどの方法があります。こうした証拠集めは刑事ドラマでも見たことがあかもしれません。
しかし、実際には、本人の言っていることをまとめることも重要な証拠集めの一環です。さらにいえば、他の証拠集めや先生による調査は、本人の話をきちんと聴けていないうちに行うと、全くの空振りになってしまうことがあります。
子どもに対する事実の聴取は、非常に難しいものがあります。
お子さんは、事実の聞き取りに際して、まず集中力がもたなかったり、大人のペースで話そうとして適当に答えてしまったりすることがあります。特に危険なのは、質問者の気持ちに応えてあげようと、誘導に引っかかりやすいことや、やられたことについての質問で再度傷ついてしまうことがあるところです。
被害を受けた子に出来事を聞くときには、なるべく落ち着いた雰囲気で、リラックスできるようにしながら話を聞いてあげるようにしましょう。
まず、いじめについて取組むときには、「絶対に証拠を集めなければいけない」ということはありません。証拠がなくても話し合いを行って、いじめ調査や、いじめの再発防止策を行ってもらえる可能性はあります。
ただ、いじめの問題に取り組んでいくと、相手のお子さんに対する指導が必要になります。この指導は非常に難しく、学校の先生方も本当に苦労されるところです。さらには、様々な要因で、最初は友好的だった学校の先生から、モンスターペアレントであるかのような扱いを受けることもあります。こういった状況になったときに、いじめの事実を明らかにする証拠があると、非常に有効な対策になることがあります。
証拠の集め方には様々な方法があります。けがをしているようでしたらけがの写真を撮る、治療を受けたら診断書を出してもらう、メールなどを保存しておくなどです。
証拠集めで親御さんに気を付けて欲しいことは、「多くの場合、一つの証拠ではいじめの全体を明らかにするには足りない」ということです。より詳細な証拠集めの方法についてはぜひご相談ください。
【動画】なにが起きたの?小さな子どもからの事情聴取のコツ(mamatastv from Instagram)
髙橋知典弁護士出演の動画です。情報を「まとめる」際のご参考になさってください。
スマホ、ネットを使ったいじめ






しかし、本気でいじめを防止するならば、証拠としては残しておく方がいいと思いますよ。


最近のいじめ
近年では、いじめの方法についてもツイッターやフェイスブックなどのSNSやラインなどのスマホアプリが使われるようになり、マスコミでも取り上げられています。
こういった最近のいじめの恐ろしいところは、いじめている側がいじめを受けている子どもの顔を見ることなく、指先ひとつで簡単にいじめができてしまうことです。
こうしたツールは、非常に便利なものであり、これからの時代を生きて行く子ども達には必須のツールであるとは思います。このため、こうしたツールを持たせることをやめさせるのではなく、使い方を学ばせることが必要になるでしょう。
こうしたいじめへの対処で、一番大事なことは、いじめの事実があることを証明することです。
スマホ等を使ういじめの場合、学校のクラスの中で起きるいじめとは違い、学校の先生の目には止まりません。
また、メッセージを送った人と、受け取った人の二人しかいない場合があり、送った人が送っていないと嘘をつき、受け取った人がそのメッセージを消してしまえば、もはやいじめがあったかどうかはわからなくなってしまいます。
このため、こうしたいじめに遭ってしまったときには、嫌かもしれませんが、いじめを止めるために、そのメッセージを保存しておいてほしいのです。
お気軽にご相談ください。
いじめをしていると疑われた
いじめ冤罪
近年、増えているのがいじめていないのに、いじめをしたと言われてしまう、いじめの冤罪事件があります。
多くの場合、いじめをしているお子さんと仲がよかったり、そういったお子さんのグループにいたことで、本当は何もしていないのにいじめをしたと言われ、結果として厳しい指導の対象になったり、責任追及をされてしまうことがあります。
まず、いじめをしていないといえるかどうかを慎重に確認する必要があります。
というのも、いじめ自体は、『いじめについて』の項目でも記載しておりますが、現在は被害者を基準として、考えるべきものになっております。そういった意味では、「相手のお子さんが言っていることはやっているが、本人は遊びのつもりだった。」というわけにはいきません。
やってしまったという後悔が強いほど、お子さんは親御さんにはなかなか素直に話ができないことが多いものです。もっとも、いじめに関与している場合にも、指導をどこまで受け入れるべきか、責任をどこまで取るべきかは、考える余地があります。
一方で、疑われているいじめについて、全くやっていないという場合には、そのことを早めに伝えるべきですし、お子さんの意思に反して認めるべきではありません。
学校側の指導が、時には行き過ぎてしまうこともあります。特に、高校以上の学校では、停学処分や、退学処分に直結することがあります。
この場合には、弁護士を入れて対応することが考えられます。
最近は、学校での対処を飛び越えて、警察に相談に行く親御さんもいます。
警察の対応次第では、取り調べも行われますが、この取り調べで、お子さんが自傷行為等に走るほどに傷ついてしまうことがあります。普段、いじめ考えもしない子ほど、犯罪者扱いを受けることに酷く傷つくので注意が必要です。
この場合には、取り調べ時に一緒に警察に行き、警察の取り調べが行き過ぎないように意見を伝え、お子さんを安心させるためのサポートを行うことが考えられます。
新型コロナウィルス感染症によるいじめのご相談
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