【弁護士コラム】最近のいじめとは?
■ 最近のいじめとは?
たびたびニュースになるいじめを苦にした自殺等、痛ましい事件が取りざたされます。
自殺はしなかったとしても、学生時代にいじめられた記憶は何十年経っても残り、人格を歪めてしまうこともあり、いじめは許されない行為です。 昔は直接的な暴力が多かったいじめでしたが、テクノロジーの進化によっていじめの方法も変化してきました。10年ほど前は、学校裏サイトに悪口を書き込むことによるいじめが取り沙汰されていました。
しかし、最近では学校裏サイトよりもLINE等のSNSによるいじめの相談が多く見受けられます。例えば、クラスのグループチャットで特定の子どもだけ無視をしたり、きつい言葉を浴びせたり……。 SNSによるいじめは、いつも持ち歩いているスマホによってなされるため、学校に行かない休日でもいじめられ続けることがあります。 さらに友達やグループメンバー登録した以外の人はやりとりが見えないものですから、外からいじめを発見しづらいという特徴があります。
では、親としてはどのようにしたらよいのでしょうか?
■ いじめかも、と思ったら
子どもと、まずはゆっくりと話すところから始めてください。子ども自身としても、いじめを受けていることを親に知られたくない、と思っていることがあり、ゆっくり話をすることから始める必要があります。 すでに子どもからSNSによるいじめを受けていることを相談されているのでしたら、ぜひやってほしいことがあります。
それは、いじめの証拠を集めることです。
いじめを受けていると分かったら、親としてもとてもショックでしょう。気持ちはわかりますが、ちょっと落ち着いてください。
スマホやネットというものはデータを削除するのが非常に簡単なツールなのです。実際、いじめている子どもがいじめられている子どもに命令する等してスマホのデータを消させることもあります。 すでに消えてしまったデータは無理かもしれませんが、現在残っているSNSのやりとりは、本人の携帯に残すのが気の毒なようでしたら、画面保存(いわゆるスクリーンショット)で保存し、スマホからPCに保存しておく等してください。
やり方は「スクリーンショット 方法」などで検索すれば詳しく出てくると思います。
SNSいじめとリアルいじめがセットで行われている場合もあります。その場合には、日付と子どもの様子を日記として残しておいてください。けがなど外傷が見受けられる場合には適宜、病院を受診する等してください。 いじめを解決するには、とにもかくにもこの証拠集めが非常に重要になってきます。無駄かも、と思わずにできることはやってみてください。
■ 各専門家へ相談を
いじめは心身へ、学校生活へと多方面へ影響があります。そのため、学校に相談したからといって全ての問題が解決する訳ではありません。心身の状態をケアするにはスクールカウンセラーさんや医療と連携することになるでしょうし、学校生活を取り戻すためには学校や教育委員会等と話し合う必要が出てくると思います。
また、いじめを原因とする欠席や不登校も、そのことが認められていると、進学時に単なる欠席と同じように扱われずに済むようになります。 もし、最初に相談する場所がわからなかったら、ぜひ弁護士に相談なさってください。
上記にも書きましたが、いじめは証拠集めが大事な鍵となります。費用はかかりますが、個別の状況を聞いたうえで、適切なアドバイスを受けることができます。 弁護士に相談すると良いことがもう一つあります。それは親に代わって学校側と交渉等の話し合いもできることです。
いずれにしろ、早めに各専門家へ相談していただきたいと思います。