【弁護士コラム】自己破産ができない職業がある?
【弁護士コラム】自己破産ができない職業がある?
「自己破産」の相談中、弁護士は必ず相談者や依頼者の職業を確認します。それは、自己破産時に制限を受ける職業があるためです。制限を受けるというのは、もっと簡単にいうと、自己破産の一定の期間中は、その仕事の活動をすることができないということです。
■資格制限を受ける資格
たとえば、私たち弁護士もそうです。破産の手続きが開始されると、弁護士の活動ができなくなります。また弁護士以外にも、各専門職や、警備員、旅行業者、生命保険募集員なども仕事ができなくなります。
これは、自己破産をすると、お金に困って自己破産をしているため、経済的な信用がないと考えられ、その活動をさせられないということですね。
■いつまで
この資格制限を受けるのは、破産手続き開始から免責決定が受けるまでの期間です。そのため、法律上は、破産の手続きが終わった後に就けない職業はありません。
この点は誤解をされている方が多いのですが、自己破産をすると、選挙権がなくなる、国家資格の受験資格がなくなると思っている方もいます。しかしながら、そのようなことはありません。自己破産をしたからといって制限されることはありません。
でも、この数か月間の期間のみ(期間は裁判所やその人の債務状況によって異なります)とはいえ、自分が今までしていた仕事ができなくなると大変という方は多いと思います。
■どうすればいいのか?
そういった職業の方は、正直に会社に対して話さなければなりません。仮に破産することを黙ってその仕事をした場合、その後、重大な問題になってしまいます。最悪の場合、会社から損害賠償を求められる可能性もあります。
そのため、会社に正直に伝え、事務の仕事をするなど、破産が終わるまでの一定期間だけその仕事以外の仕事をするなどの調整が不可欠になります。
もっとも、破産を会社に伝えることにより何らかの不利益を被る可能性も否定できません。弁護士と相談しながら、慎重に進める必要があります。 また自分が資格制限を受ける資格かは、必ず弁護士の先生に確認をしましょう。