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【弁護士コラム】違約金を支払えと言われたら?

2017年7月24日

■違約金を支払えと言われたら?

アダルトビデオ(AV)出演トラブルで多いのが「違約金トラブル」です。

アダルトビデオに出演する契約を締結した後に、「やっぱり出演しなくない」と伝えたところ、「出演しなければ多額の違約金を請求する」と言われたという女性は多いです。 「出演しなければ親に言うぞ」と脅されたという方もいます。

■違約金は支払う必要はありません。

そもそもアダルトビデオは、性行為等を内容とするものであり、出演者にとっては、プライバシーに関わる部分が非常に大きく、また出演後の影響も大きいといえ、出演者の意に反して出演を強要することができない性質のものです。

そのため、「一旦契約書にサインしてしまったから仕方ない」と考えて出演する義務はありません。 出演を断って、契約を解除したとしても、法外な違約金を支払う必要はありません。

■裁判所の判決でも

数年前に、アダルトビデオの出演を拒絶した女性が、所属プロダクションから2460万円の違約金を請求され訴えられたという裁判がありました。

この裁判の判決でも、「アダルトビデオへの出演は,原告が指定する男性と性行為等をすることを内容とするものであるから,出演者である被告の意に反してこれに従事させることが許されない性質のものといえる」ということが確認されました。 そして、女性が所属プロダクションとの契約を解除する「やむを得ない事由」があるとされ、アダルトビデオへの出演義務はないとされました。

その結果、裁判所は、女性には、違約金を支払う義務はないと判断したのです(東京地裁平成27年9月9日)。

■弁護士に相談

以上のように、裁判所でも違約金を支払う必要はないとしています。 しかし、いくら女性が、「違約金を払う義務がないので払いません」といっても、簡単にプロダクションが納得するわけではありません。
契約書や面接シートに実家の住所や勤め先を書いていたケースでは、実際に実家や勤め先などに連絡をされてしまったという方もいます。
そのため、もし違約金の請求をされたり、脅迫をされたりした場合には、自分一人で解決しようとせず、AV出演問題やインターネット問題に詳しい弁護士などの専門家にすぐに相談するようにしましょう。

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