【離婚の手続その2:調停離婚、審判離婚】
調停離婚、審判離婚
*前回は、「協議離婚」のお話をしました。
今回は、その次のステップとして用意されている「調停離婚」と「審判離婚」について説明していきます。
1 調停離婚とは
協議離婚は、夫婦が話し合って離婚に合意し、役所に離婚届を提出した場合に、成立するものでした。
しかし、夫婦だけでは合意が成立しない場合、調停の方法によることが考えられます。
「調停離婚」とは家庭裁判所に調停を申立て、調停委員が間に入り、夫婦間の話し合いの上、離婚に合意するというものです。
話し合いとは言っても、調停委員が夫と妻それぞれ別々に話を聞いたり、夫婦が顔を合わせないように、離れた場所に待合室を用意してくれたりして、手続が進んでいきます。
2 審判離婚とは
家庭裁判所に離婚調停を申し立てたものの、合意ができず調停が成立しない見込みになった場合に、家庭裁判所が夫婦双方の主張及び調停委員の意見を聞いたうえで審判をし、離婚を認める手続があります。
これが「審判離婚」です。
ただし、審判に納得できない場合は異議を出すことができ、異議が出されると審判の効力は失われます。
3 離婚調停申立てに必要なもの
離婚調停を申し立てるときには、以下のものが必要です。
・離婚調停の申立書
・夫婦の戸籍謄本
・収入印紙(1200円程度)
・郵便切手(800円程度ですが、金額は裁判所によって異なりますので、裁判所に問い合わせをするのが確実です)
・夫婦の財産や収入が分かる資料
・これまでのいきさつが分かる資料等
4 離婚調停の流れ
・離婚調停の申立て
申立てから約1か月後に第1回目の調停期日が決まります。
・調停期日
調停は、裁判官1名と、調停委員2名が担当します。
調停委員は、人生経験豊かな40歳以上の男女各1名の構成になっています。
通常は、裁判官は調停には同席せず、2名の調停委員が、夫婦双方から交互に話を聞いていきます。
当日は、受付をした後、指定された待合室で待っていれば、係の人が呼びに来てくれます。
通常、調停室には、夫婦入れ替わりで入り、それぞれが調停委員と話し合い、調停員を通じて、その内容が相手方に伝えられます。
1回の調停には、だいたい2時間ぐらいかかることが多いです。
調停期日が1回で終わることは稀です。通常、約1か月に1回のペースで調停期日があります。
期間は、半年から1年かかることもあります。ただ、一方が欠席したり、意見が乖離しすぎていて到底成立の見込みがない時には、早々と調停不成立になることもあります。
・調停成立、調停調書の作成
話し合いがつくと、裁判官、裁判所書記官、調停委員が調停内容を確認します。
調停で決まった内容を、裁判所が調書として作成してくれます。
・調停離婚の成立
・市区町村の戸籍課に離婚届を提出
調停離婚成立から10日以内に提出する必要があります。
今回は、「調停離婚」・「審判離婚」について説明をしました。
次回は、いよいよ「裁判離婚」について解説をしていきます。